2018年5月28日月曜日

ダンパー操作による焙煎機の釜内温度変化

こんにちは!お元気ですか?

焙煎には季節、つまり温度や湿度の影響があると聞きます。
焙煎開始時の生豆の状態は保存環境に大きく依存するはず。
焙煎機のほうは、生豆投入前の予熱をきちんとすれば制御できるはず。
難しそうなのは排気筒でしょうか。

そんな今回は排気ダンパー操作前後の釜内温度についてです。

排気ダンパーとは?


焙煎機本体と排気筒を繋ぐ部分につけられている、
開閉式の蓋のようなものです。
開け閉め量を調整することで釜内部の温度や熱流束を制御したり、
豆から出る煙を外に逃がしたりします。

ダンパーの有無や操作でできあがりの香りや味が変わると
日本では昔から言われていて、日本製の業務用焙煎機には
ついていて当然の装置だそうなんですが、他国では
気にされておらず、焙煎機にもついていなかったそうです。
それが、この10年ほどで効果が確かめられ、ヨーロッパ製の
焙煎機にも取り入れられたとのこと。
コーヒーに関しては欧米のほうが進んでいると思いがちですが、
日本発の変化もたくさんあるんですね。

ダンパー操作で起きたこと


ぼくらの焙煎工房富士珈機の小型焙煎機、
COFFEE DISCOVERYで焙煎していた時のこと。
生豆投入後からの水抜き過程が終わり、味を作る段階に入る前、
1ハゼ開始前にダンパーを操作して1から3、つまり
半分程度開けた状態にしました。

この目的は、釜内の温度上昇カーブをやや緩やかにして
味作り行程を長めにすること。
排気が増えることで温度が上がりにくくなると予想していました。

しかし…

実際には逆に温度が上がったんです。
正確に書くと、温度上昇カーブの傾きが一時的に
大きくなったんです。
結果的には狙いのカーブにならなかったということです。

何が起きたのでしょうか。

考えられること


焙煎機本体、釜の中は高温になっています。
焙煎が終わるころには200℃前後~250℃です。
圧力も高い。
一方で排気筒のつながる外は20℃前後の大気圧。
圧力差で釜の中の空気が外に吸い出されるように
出ていっているはずです。

とすると、ダンパーを開けた直後には熱い空気が
外に出た分、新たに流れ込んできます。
この新しい熱い空気の流れが温度センサーの位置と
あいまって、一時的に温度が高くなったように
記録されたのではないか、と考えています。

このあたりは今後も継続調査です。

で、結論は?


焙煎機の中で起きていることが分かっても、
美味しいコーヒーにならなきゃ意味ないわけです。
今回のデータを次に生かして、

温度は火力でも調整してみよう

これが結論です。

蛇足(宣伝?)


ここで書いた焙煎でできた豆、失敗じゃないですよ。
ちゃんと美味しく仕上がってます。

コーヒー=苦い で飲まず嫌いの方、
最近よくある酸味押しのコーヒーは苦手、
ちょっと食傷気味 という方には特におすすめです。

6月2日の土曜日
走る屋恭平さんの


でご提供します。(というかそのために焙煎した笑)

コーヒーはワインと同じ。
フルーツからできてるんだってことを
再確認してもらえるはず。

お申し込みは直前まで(飛び入りも)OKなので、
遊びに来てくださいね。

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